設計事例

立川療護園 はごろもの音障害者支援施設、障害福祉サービス事業所

周辺環境と適切な距離をとりながら開放的な住環境をつくる

日野市にある障がい者支援施設を立川市に移転するというプロジェクトである。既存施設の自然豊かな環境から2階建て住居が並ぶ住宅街への引っ越しである。建物は2階建てであり、車いすの方々が暮らす。
地名でもある「はごろも」をイメージさせる見た目の柔らかい粉体塗装したエキスパンドメタルをバルコニー手摺とすることで、近隣住民との目線をゆるやかに切りつつも利用者は景色を見ることができる。また外からの見た目はボリューム感や、施設感を感じさせず解放感は保ちながらも近隣との距離感を適切に保つ。またエキスパンドメタルをくり抜いたような造形とし、部屋から外の景色を絵画のように切り取ることで立川の景色を改めて意識させる。エキスパンドメタル自体も光を反射したり透過したりするため外からの見た目も季節と時間帯によって変化し、バルコニーに回遊性がうまれる。
1階は入所・通所の活動エリア、職員諸室、地域交流室があり、2階は居室や食堂などの生活エリアとなっている。利用者居室はすべて個室であり、自動ドア・天井走行リフトを全部屋に設置しているのがこの建物の最大の特徴である。木目調の内装材や扉の面材を木目にすることにより、温かい雰囲気の空間を作った。廊下の壁紙を一定の間隔でランダムに貼り分けて、歩いた時の景色の移り変わりを意識し、内の廊下にも回遊性を持たせた。
このような特徴的なデザインとすることで羽衣町のアイコンとなり、地域と一体となった建築となっていくことを期待している。
施工データ
建 築 主
社会福祉法人 東京都社会福祉事業団
所 在 地
東京都立川市
工 事 種 別
新築
構 造 規 模
鉄筋コンクリート造、地上2階
定   員
入所50名、ショートステイ6名、通所20名
竣   工
2023.2
施   工
建築/鴻池組 電気/旭電業 機械/日設

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