設計事例

大泉障害者支援ホーム障害者支援施設、障害福祉サービス事業所

vivo tree

緑豊かな都立大泉中央公園に隣接し、春の桜並木など四季を感じられる場所です。外構はこれらを借景とし、敷地内でも身近に季節を楽しめるよう多種多様な植栽計画としました。
1階は共用部、管理部、障害福祉サービス事業所に分かれており、タオル折り、箱折り、水耕栽培を中心に行っています。共用部には大ホールとなる活動室、地域交流スペースとして「café vivo tree」を配置しました。2階は入所エリアとなっており、視界の開けた食堂と42の個室、大浴室を配置しました。
「vivo tree(ヴィ―ボツリー)」という愛称をコンセプトとし、木目やビビッドカラーで内装デザインをまとめています。
施工データ
建 築 主
社会福祉法人 東京援護協会
所 在 地
東京都練馬区
工 事 種 別
新築
敷 地 面 積
8,701.91㎡
延 床 面 積
3,829.51㎡
構 造 規 模
鉄筋コンクリート造、地上2階
定   員
障害者支援施設41名、障害サービス事業所20名
竣   工
2022.3
施   工
建築/鴻池組 電気/旭電業 機械/日設

視覚障害者への配慮とデザインの融合

ロゴマーク
に込められた想い

デザインの考え方や色を検討をするにあたり、左のロゴマークをコンセプトデザインとしました。
vivo tree(ヴィ―ボ ツリー)という愛称には、様々な種類の図形が相愛しあうことですばらしい力が発揮できるという意味が込められています。vivoは音楽用語で「生き生きした」を意味しており、個性的で元気な利用者さんの雰囲気をイメージしています。
内装は建物を大きな一つのvivo treeと見立てており、エントランスは樹洞の入口、カフェをツリーハウス、2階には様々な色を大胆に取り入れました。色の明暗を認識される方もいらっしゃるので、ビビッドで鮮やかな色を選定しました。

外観と植栽計画
に込められた想い

独自のこだわりをもった者が互いに寄り添っていく家族のような施設の雰囲気をイメージし、木目、石目、レンガ、タイルといった複数の素材感がある外装材を用いて多様性を表現。あたたかく、様々な素材と風景が際立つようアースカラーでまとめました。
建物の周囲は四季の花々を感じられるようイングリッシュガーデンをテーマに配植しました。南側では以前から立派に育っていたソメイヨシノを保存し、北側の敷地では利用者が五感で四季を楽しめるよう、57種の樹木に囲まれた遊歩道やグラウンドを配置しました。また、敷地の外周に紫陽花を並べ、東京の紫陽花の名所になる事を目指しています。

エントランス
に込められた想い

「vivo tree」は様々な図形が相愛しあうことですばらしい力が発揮できるという意味が込められています。
床においては複数の色、柄を図形的に組み合わせることで「相愛」を表現しました。共用部の廊下全てに施しているので、フロア全体が明るい空間となっています。
EVホールの壁面は「樹洞」をイメージしており、鏡を用いた木漏れ日や壁面のフェイクグリーンで樹洞への入口を表現しています。

café vivo tree
に込められた想い

地域交流室は「café vivo tree」という愛称でツリーハウスをコンセプトとしています。
丸柱と天井のルーバーで大木を、販売ディスプレイと喫茶コーナーはツリーハウスを、青系のタイルを複数組み合わせて、ツリーハウスから望む青空を表現しています。さらに、実際に屋外を眺めた視線の先には都立大泉中央公園の噴水広場があり、景色や居心地のよい空間となっています。
カフェでは水耕栽培で栽培した葉物野菜の販売や、新植したブルーベリーなどを栽培してメニューに取り入れる計画となっています。

利用者エリア
に込められた想い

2階共用部の食堂とデイルームは視界が広がるようガラス間仕切りで区画しました。利用者が周回できるような廊下や、音楽活動をする1階の活動室への動線計画は上下移動がうまれ、入居者の生活のリズムに変化が起きるよう計画しています。
居室は4つのカラーエリアに分かれており、位置関係がわかるようにしました。廊下の居室側にエリアカラーと間接照明を施すとともに、居室の扉には年輪をイメージした凹凸を施すことで、カラーリングや触感などにより居室の位置が認識できるよう工夫しました。

職員エリア
に込められた想い

働く方々があたたかい雰囲気の中で快適に過ごせるよう、職員諸室においてもデザインを施しています。
1階事務室及び2階職員室の壁にはロゴマークの雰囲気が感じられるアクセントクロスを選定しました。プチカフェの職員休憩室、ホテルのような職員用トイレ、都会のおしゃれな理美容室など各室でテーマ性をもってまとめました。
また、職員室からの見晴らしは広く、利用者が見渡せる計画となっています。便所を19ヵ所に分散配置することで利用者のリスク回避と同時に介助職員の介助にしやすさにこだわって計画をしています。

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